射出成形ビギナーの皆さん、毎日ご苦労様です!
初めて成形機を使ったときは、ファクターの多さに驚かれたのではないでしょうか?
中には、何を設定したか記憶にないような人も多いと思います。
今回は、射出成形で重要な要素の一つ、成形品の投影面積について解説します。
この記事では、射出成形の投影面積について、どう求め、どう使うのかを解説していきます。
あれ、投影面積ってなんだっけ?という状態はこれで卒業しましょう!
射出成形の投影面積とは
射出成形で様々な数値を設定し、成形を進めていくと思います。
中にはOJTで先輩の作業を見て学び、テキスト等でインプットし、それらを繰り返している人も多いのではないでしょうか?
そこで、成形機に入力するところはないのに必ずテキストで出てくるワードがありますよね。
はい、成形品の投影面積についてです。
まずは、成形品の投影面積について理解を深めていきましょう。
射出成形の投影面積とは
射出成形の成形品の投影面積とは、文字通り、二次元で見た時の成形品の面積のことです。
もう少しわかりやすく説明しますね。
当たり前ですが、成形品は3次元ですよね。
金型が開いて、成形品を取り出しますが、金型が開いたときにシリンダー側から見た時の成形品の面積です。
スプルーが真上になるようにして持ち、その時にできた影が投影面積です。
射出成形で投影面積の使い方
投影面積の使い方は、ズバリ、型締め力の計算です!
ですから、投影面積を設定する場所は成形機にはありません。
投影面積から計算した型締め力を入力するので、そりゃないですよね。
計算方法は、この通りです。
いうまでもなく、型締め力は重要なファクターなので十分な値を設定しておきましょう。
ここで、式には「必要型締め力」と表記しました。
この値より大きな型締め力が必要と考えてください。
私の場合ですと、例えば必要型締め力が10.3だった場合は、なんとなく11とします。
10.3より大きな値であることが重要なので、ある程度アバウトに、でも必要型締め力より大きな値で設定しておきます。
必要に応じて少しずつ大きくしていきます。
射出成形の投影面積から型締め力を設定する方法
んじゃ、最初から大きくすりゃいいじゃないか、と思うかもしれませんがお勧めしません。
どうせ少しずつ大きくするなら最初から大きな値の方が効率よさそうな気はしますよね。
しかし、適切な型締め力を設定することには大きな意味があります。
射出成形で型締め力が大きすぎると良くない理由
型締め力が過大であることはよくありません。
なぜなら金型の摩耗を加速させます。
つまり、金型の寿命を縮めている行為に等しいのです。
ですので、適切な型締め力にすることは重要です。
射出成形で型締め力が小さすぎると良くない理由
型締め力が過小であることはよくありません。
小さすぎれば今度は不良につながります。
樹脂が流れ込んでも、それを閉じ込めておくことができないわけですから、成形の途中で金型が開いてしまいます。
代表的な不良ではバリがありますね。
バリが出たら、型締め力が小さかったな、と考えてください。
私の場合ですと、バリの確認をしてからでなければ型締め力を上げないようにしています。
じゃ、めっちゃ小さい値から始めればよくないか?とも思いますよね。
でもこれもおすすめしません。
なぜなら、バリ癖が金型についてしまいます。
イメージは本です。
本を同じページばっかり開いて開き癖がついてしまうとなんとなく開いたときにそのページばっかり開いてしまうこと、経験ありませんか?
それの金型バージョンです。
バリを出しすぎると、どんどん張りが出やすい金型になってしまいます。
ですので、適切な型締め力の設定は重要です。
射出成形の投影面積についてのまとめ
今回は投影面積をテーマに紹介してみました。
投影面積は直接登場しませんが、必要型締め力を求めるために必要になる値です。
型締め力が大きすぎると金型の摩耗につながり、小さすぎれば不良につながります。
投影面積をきちんと求め、ある程度型締め力を狙えるようにしましょう。