3Dプリンタでの造形は意外と一回でうまくいかないものですよね。
様々な不良の中で、造形ステージから剝がれてしまう現象は多くの方が経験されているのではないでしょうか?
この記事では、3Dプリンタで剥がれる場合はどうすればいいかを原因とセットで紹介します。
剥がれているのは一目瞭然なので、原因別に簡単な順番で紹介していきますね。
3Dプリンタで剥がれにつながる原因とは?
剥がれに関しては3つの視点で考えていきましょう。
まずは、大前提の確認というわけです。
使用方法が間違っていないかの確認です。
何か新しいもの使ったり新しいことやろうとしたりする時を想像してみてください。
フィーリング、なりがちじゃないですか?
トランプでよく聞く魔法の言葉、「とりあえず1回やってみよ」というあれですね。
トランプはルールわからないまま初めてもなんだかんだ何とかなりますが、3Dプリンタはなかなかそうはいきません。
フィーリングで進めちゃう人は要注意ですよ。
設定違いに関連してお伝えすると、「反り」が発生してしまうような条件を設定してしまうち、反りから剥がれにつながってしまうということもあります。
その他の観点で見てみると、部品の劣化が考えられます。
具体的には、造形ステージの劣化やノズルの不良が剥がれにつながってしまうケースですね。
これらも、気づけば「なんだ、こんなことだったのか」と思ってしまうような内容ですが、実は結構あるあるなんですよ。
ひとつずつ見ていきましょう!
3Dプリンタの修練不足による剥がれとその対策
では、まずは初心者にありがちな修練不足による剥がれについてみていきましょう!
初心者によくある失敗事例① 設定違いによる剥がれ
3Dプリンタの場合、条件やセッティングを確認してみてください。
例えば、
- ノズルと造形ステージの距離
- ノズル、造形ステージ、庫内の温度
- 走査速度
などの設定値ですね。
こういった設定値が問題なければ、実際どうかの確認もしてみてください。
例えば、ノズルと造形ステージの距離が10mmだと設定していたとしても、定規で計ったら8mmだった、といったことがあります。
装置によってはキャリブレーションするだけで解決する場合もあります。
初心者によくある失敗事例② ヒーターの付け忘れによる剥がれ
距離だけでなく、温度が上がらないということもよくあります。
安全のため、すべてのヒーターにONのスイッチがついているものもあります。
ノズルと造形ステージは温度が上がったけど、庫内のヒーターのスイッチはOFFのままで温度が上がらなかった、ということもあります。
あるあるなんですよ、こういうの。
でも、これらは手順書や取扱説明書を見ながらやれば防げたものですよね。
新しい装置でワクワクして早く使ってみたい気持ちは痛いほどわかります。
でも、大事な設定の見落としがあるかもしれないので、きちんと使用方法や設定条件を確認したうえで使ってください。
反りによる剥がれ
条件の設定や使い方に関連して、「反り」からくる剥がれもあります。
条件設定を誤ると、「反り」という別の不良につながる場合もあるんですよ。
反りが激しくてそのまま造形ステージから剥がれてしまうことがあるんです。
反りが発生しない造形条件を見つけることも剥がれの対策につながることもありますよ!
反りについてはこちらで詳しく紹介しているので安房s手ご覧ください!
3Dプリンタの剥がれにつながる部品の故障
続いては、部品が原因のケースです。
当たり前ですが、故障していたり破損していたりすると想定通り造形できません。
わかりやすく「故障」と書きましたが、部品が完全に壊れてしまうような故障に限りませんよ。
何かが壊れてしまっている場合の故障は一目瞭然なので、それ以外の2つに焦点を当てていきますね。
3Dプリンタの剥がれの原因になる故障例①
まずは、造形ステージの傷や浮きです。
もし、造形物がはがれてしまったら、造形ステージをよく確認してみてください。
傷や浮き、つまり、メーカーが想定したステージの状態ではなくなっていると、微妙に位置がずれたり、隙間ができたりしてしまいます。
もう想像できますかね?
想定通りにいかないと、その部分が「不良のきっかけ」になってしまうんです。
ですので、まずは造形ステージに注目して、おかしな傷や浮きが無いことを十分確認してみてください。
3Dプリンタの剥がれの原因になる故障例②
2つ目はノズル不良です。
ノズル不良というとかなりざっくりしていますが、要するに「正しく樹脂が供給されているか」を確認するのだと思ってください。
例えば、ノズルの口に傷がついていたとしましょう。
そうすると、その傷を起点に樹脂が広がってしまうかもしれませんね。
例えば、ノズル先端に炭化した樹脂が残っていたとしましょう。
もしかしたら、その炭化物が邪魔して十分な量の樹脂が出てこないかもしれません。
そのまま続けていたら、圧力がどこかにかかりすぎて別の故障につながってしまうかもしれません。
可能性としていろいろ考えられますが、個人的にはまずはノズルの口に注目してみてください。
何かあれば、樹脂の吐出に悪影響がある可能性が高いので、小さな違和感も侮るなかれ、ですよ。
3Dプリンタの剥がれにつながる熱の影響
最後に熱について紹介します。
3Dプリンタに限らず、熱の影響は避けられません。
造形するための材料は樹脂ですので、当然、熱を加えたり奪ったりしたら体積の増減はしますよね。
(まあ、樹脂じゃなくても起こりますが)
樹脂の体積膨張・収縮で造形物が変形してしまうことがあります。
要するに、造形物が反ってしまうんです。
反ってしまうまでならいいのですが、反ろうとする力が強いと造形物が造形プレートに張り付いている力に負けてはがれてしまいます。
3Dプリンタと熱の関係は切っても切れない関係ですよね。
反りに関しては、それだけでしっかり対策をとる必要があります。
こちらの記事で3Dプリンタの反りの対策についてまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
3Dプリンタでの剥がれる現象まとめ
今回は3Dプリンタの剥がれについて焦点を当てて紹介しました。
使用方法に始まり、部品の故障や熱による影響など、剥がれる原因は様々です。
使用方法はしっかり確認!
部品の故障は確認出来たら故障のないものに交換!
熱に関しては反り対策を参照!
で取り組んでみてください。
ひとつひとつの経験が良品の造形につながるので、めげずにガンバってください!