3Dプリンタでできない形状ってあるの?造形が難しい形状3パターン

3Dプリンタ

3Dプリンタではいろいろな形状を自由につくることができる、というイメージありますよね。スキャナーで読み取ったり自分でモデリングしたりして、なんでもできる!みたいな。ただですね、このイメージ、もしかしたら落とし穴かもしれません。あらゆるものを作り出せる、とは言い難い部分があります。

この記事では、3Dプリンタではできない形状を3つのパターンに分けて紹介します。これらの形状を造形したいなと思ったら少し立ち止まってみてください。

 

3Dプリンタでできない形状① YHT

まず1つ目はY、H、Tといった形状です。あ、アルファベットが造形できないって意味ではないですよ。

  • Yのような斜めの形状
  • Hのような離れた部品に橋を架けるような形状
  • Tのような空中に水平方向に伸ばすような形状

これらの形状を造形するのは難しいということです。

なぜ造形できないかわかりますか?

これは3Dプリンタでの造形方法が原因なんです。3Dプリンタは、造形したい物をスライスして、スライスしたものを1枚ずつ積み重ねるようにして造形します。なので、積み上げるのが難しい形状は造形が難しいんですよ。順にみていきましょう。

 

Yのような斜めの形状

ある点や棒から斜めにはやしているような形状ですね。Yという文字を立てるように造形しようと思ったら、下半分くらいの棒1本のところから積み上げていきます。そこの造形が終わると、斜め方向に延びていきますが、これが難しい!なぜなら、積み上げようとしても下に何もないわけですから造形が非常に難しいんですよ。

こんな感じですね。

 

ただ、解決策もあります。解決策は、横に倒して造形するという方法です。横に倒して造形して、最後に造形ステージからカットするということです。

こんな感じです。

 

こうする方が造形自体も早く終わるのでお勧めです。Yという文字を作りたいだけならこの方法でばっちりです。

 

Hのような離れた部品に橋を架けるような形状

Yと同じように離れたものをつなごうとしているHの横棒は、下に支えるものが無いので造形できないです。

イメージはこんな感じですね。

どうしても横は難しいんです。ただ、Hという形状を作りたいだけならYと同じように横に倒して造形すればOKです。

 

Tのような空中に水平方向に伸ばすような形状

YやHと同じように考えればもう説明は不要ですかね。支えるものがしたに無いので、造形できません。

Tという文字を作りたいだけなら横に倒せばOKです。

 

3Dプリンタでできない形状② 滑らかな局面

続いて、滑らかな局面です。なぜ滑らかな局面ができないかというと、3Dプリンタはスライスしたものを少しずつ積み上げるように造形するんです。なので、スライスされた層1層分の厚みよりも細かいものはできないことは想像できるかと思います。

太さ0.5mmのボールペンで0.1mmの線は書けませんよね。なので、この1層分の厚さ(積層ピッチって言います)が限界の滑らかさだと思ってください。

そうすると、「じゃ、積層ピッチをめちゃくちゃ小さくすればいけるんじゃね?」と思うかもしれません。

個人的に、そういった発想でいろいろなことを試せる人は大好きです!研究者に向いてますよ!
ただ、残念ながら限界はあります。適切な積層ピッチでなければ造形はうまくいきません。なので、どこかで限界は来てしまいます。これが滑らかな局面を造形できない理由です。

もし、どうしても作りたい場合は「後処理」で解決するのがベターな方法です。具体的には、ヤスリで磨くのです。全体的に若干削れてしまいますが、局面は自分の思うように滑らかにできます。工業用の3Dプリンタでも後処理をすることは一般的なので、ヤスリで磨くのも選択肢の一つとして考えてみてください。

 

3Dプリンタでできない形状③ 横穴や空洞

最後は横穴や空洞です。横穴とは、水平方向に延びた穴です。YHTのときと同じように下に支えるものが無いので、横穴を作るのは難しいです。穴の下半分は造形できても上半分は造形がうまくいきません。

こんなイメージですね。

同じように、空洞を作るのも難しいです。やはり、支えは必要ですね。

ちなみに、パウダーベッド方式のような粉末を敷き詰めて造形する方法の場合、空洞を作ると、その空洞の中に材料の粉末が閉じ込められて、壊さない限り取り出せなくなります(笑)

なので、3Dプリンタでは横穴や空洞を作るのは難しいと考えてください。

 

3Dプリンタでできない形状のまとめ

今回は、3Dプリンタではできない形状についてまとめてみました。3Dプリンタでどうやって造形するかを知っておくと、確かに難しいかも、と思えるものだったのではないでしょうか?

ただ、YHTで解決策を紹介したように、「この方法だったらどうだろうか?」という視点も忘れないでください。そして、思いついたらぜひ試してみてください。できること、できないことを知ることができれば、造形の幅はさらに広がり、もっともっと3Dプリンタで遊べるようになりますよ!

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